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映画 The True Cost 上映会

June 12, 2015

6月11日、ピープル・ツリーのNGOグローバル・ヴィレッジ主催のイベント、映画「 The True Cost 」上映会+トークショーへ。

 

今週は、2日続けて古巣の職場ピープル・ツリーのイベントに出かけたことになります。会場では現役スタッフ、私のような元スタッフ、ベテランボランティアさんとあちこちで再会。展示会と同じだ。

 

映画「The True Cost(=真の代償)」は、大量生産、大量消費、大量廃棄のサイクルが加速する現代社会の「買う側」と「作る側」を、アパレル業界、特にファストファッションをめぐる消費に焦点を当てて描いたドキュメンタリー。

 

本作の監督アンドリュー・モーガン氏は、2年前多くの犠牲者を出した、バングラデシュ、ダッカの縫製工場ラナ・プラザの崩落事故に衝撃を受け、本作を撮りました。ピープル・ツリー代表サフィア・ミニー氏もキーパーソンの一人として映画に登場しています。

 

で、観ました。

 

初めて知る仕組みじゃない。どんな問題があるかも認識してる。けれど、映像のインパクトは恐ろしく残酷で、気づいたら、スクリーンで悔し涙を流している衣料品工場で働く女性たちと一緒に泣いていました。ニュースサイトの短い映像やテキストを読んで、離れた場所から冷静に時事を知ることも大事だけど、こうして、渦中の一人一人の表情や行動をじっくりと真正面から見る機会も本当に大事。感情が揺さぶられます。

 

ファストファッションのスウェット工場(=搾取工場)の女性従業員たちの、賃金や労働条件の交渉の抗議活動が、当局や経営者たちからの激しい暴力に晒される。

 

おびただしい数の皮が積み上げられて、工員たちが染料などの化学薬品にまみれながら仕事をしているインドの皮革工場。皮膚病を筆頭とする多くの疾患を抱えた生産者やその子供たち。震えが止まらない子供を目の前に「子が死ぬのを待っている」暗い目をした母親。

画面には映らないものの、この工場の前段階で皮をはぐためだけに育てられているであろう大量の動物たちの屠殺も容易に想像できる。

 

消費しきれないほど「先進国からの衣料品寄付」を受けいれた結果、自国の伝統的な縫製業が瓦解してしまった途上国。

先進国、買っては捨てを繰り返した果てに土壌汚染の危険をはらむほどの繊維(衣料品)の大量廃棄の山、山、山。

 

一方の世界。

 

「炭鉱や油田で働くような危険はない。縫製するだけだ」「雇用の機会を作っている」と語る大手アパレル企業経営者たち。「生存競争なんだよ。安くしなければ受注できないんだ」と腹立たし気に語る途上国の工場経営者。

 

YouTubeで、ファストファッション店で買ってきたばかりのアイテムを「これが欲しかったの!」「運命みたい!」と競うように黄色い声で自慢し続ける先進国の女の子たち。

 

セール初日に店の入り口に大挙して押し寄せ、開店するなり叫びながら片っ端から衣料品をつかみ取っていく客たち。もうほとんど映画「ゾンビ」の世界。「ゾンビ」てそもそも「人が人でなくなってしまう」「人が人の命を奪う」ていう、ベトナム戦争へのアンチテーゼから70年代に作られた映画でしたよね。この映画観てるとほんとにそんな感じ。

 

消費のサイクルのスピードを果てしなく上げていって、「広告」という手段で「物欲」を刺激し「消費」する感覚を麻痺させているのが今の世の中の姿でもあり。。。そして、資本主義の名のもとに膨張し続けている、グローバリゼーションや自由貿易の影が見える。

 

実質経済と市場経済が大きく乖離してしまった今、この先に何があるんでしょうか。。。「ゾンビ」の場合は、「人類滅亡」です。。。

 

とはいえ。。。映画には、ささやかだけれど希望もありました。

 

日給2~3ドルで働き、スラムで暮らす。そんな過酷な生活に負けず、世の中を変えて子供たちのために善き未来を作りたいと語る、バングラデシュの若いお母さんが本当に逞しい。

 

モンサント社のラウンドアップや遺伝子組み換え種子の使用をやめて、オーガニックコットン生産に切り替えたアメリカの女性大農場主。

 

そして、フェアトレードによるファッション事業に取り組み続けているピープル・ツリーの活動。

 

上映後のトークショーに登壇したピープル・ツリー代表サフィアさんが「ロンドンやNYの本作の上映会にも参加してきましたが、毎回泣いてしまう」「(フェアトレードファッションに取り組んできた)この20年間の間、本当に撮りたかった映画」と語っていたり、観客席にいた高3の女の子が、「ファッションが好きでファストファッションも沢山購入してきた。『これでいいのかな』という疑問がわいた時にこの映画の上映を知り見に来た。言葉にならないほどの衝撃だったがこれからの生活を見直す大きなきっかけになった」と語っていたのが印象的でした。

 

今、消費社会が行きつく先に警鐘を鳴らす良質なドキュメンタリーや商業映画は本当にたくさんあります。

 

なんとなくわかっていることだし、あえて酷い現実を見たくないという気持ちがあるかもしれないけれど、観て、自分の感情がどう動くか実感することも大事な気がしました。

 

私もしばらく見てなかったので、昨日は刺激になりました。

 

映画 The True Cost は、現在、国内での公開の予定はありません。ウェブサイトからダウンロードあるいはDVD購入が可能で、日本語字幕版も購入できます。

 

The True Cost 公式サイト(英語のみです)

http://truecostmovie.com/

 

予告編動画(2分34秒)英語のみ。別ウィンドウが開きます。

https://www.youtube.com/watch?v=OaGp5_Sfbss

 

 

 

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